共同研究

奈良県立医科大学との共同研究成果が国際学会「CTRMS 2025」で発表されました。

この度、奈良県立医科大学 血栓止血先端医学講座 辰巳 公平 准教授らとの共同研究の成果が、2025年10月23日(木)に開催された国際学会「CTRMS 2025 (Cell Transplant and Regenerative Medicine Society 2025)」においてポスター発表されましたことをお知らせいたします。

発表の背景と研究成果の概要
再生医療分野において、骨髄、脂肪組織、臍帯などから採取される間葉系間質細胞(MSCs)は、組織修復や免疫調整の特性から注目を集めています。一方で、MSCsは細胞表面に組織因子(TF)を高発現する性質があり、TFを高発現するMSCsを静脈内に投与するとMSCを起点とした血栓形成を惹起することが報告されています(BBRC. 431(2):203-9. 2013)。また、培地に含まれるFBSやヒト血小板由来因子がMSCsにおけるTF発現を強く誘導することも報告されています(Theranostics. 2018; 8(5): 1421-34)。
本共同研究では、MSCsの培養に用いる培地成分がTFの発現レベルおよび血栓形成能に及ぼす影響を定量的に評価いたしました。その結果、当社が開発・提供する無血清培地「Ex-MSC XF medium」を使用することで、従来のFBS含有培地で培養した場合と比較し、MSCsの増殖能力を同等以上に維持しつつ、TFの発現を顕著に抑制できることを確認しました。
さらに、この培地で培養したMSCsは、ヒト血漿と混和した際の血栓形成時間が有意に延長されており、血栓形成能が低下していることが示されました。

今後の展望
この度の国際学会での発表を通じて、培地組成が細胞治療の安全性に大きく関わることが示されました。この知見に基づき、「Ex-MSC XF medium」をはじめとする高品質な製品の研究開発・提供を強化し、再生医療の安全性と有効性の向上に一層貢献してまいります。

参考資料



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